西嶋和紙の特徴
独特の製法
■故紙を使う
故紙を使うことで一度紙になっている繊維はかなり不純物や脂気が抜けています。
この故紙を苛性ソーダで処理することで、脂気や不純物が抜け、驚くほどのニジミと墨色の深みが生み出されます。
■ワラ
西嶋産の稲ワラを使うことで筆の当たりの柔らかさ、そしてニジミのグラデーションを綺麗に整えることが出来ます。
■セイコー式簡易抄紙装置
それまでひと舟ごと、原料を水とネリを配合し漉いていました。
原料を入れた直後の濃い配合から、だんだん漉くうちに原料が減り薄い配合へと移り変わり紙質も微妙に違っていました。
セイコー式簡易抄紙装置では、一日中一定の原料配合ができ、西嶋和紙の紙質の均一性が保たれています。
■天日乾燥
和紙を漉いたあと紙を後ろの台に漉き重ねていきます。
それを搾り水気を切った後、塊のまま天日に当ててひと月ほど乾燥させます。
その後、再度水槽にその塊を水にひたしてから一枚づつ鉄板に貼って乾かします。
この作業が西嶋和紙独特の柔らかさとニジミを生み出します。
■紙乾しの技
繊維長が短いと濡れた紙の強度は非常に弱いです。他の産地の和紙はほとんどが楮を使用しています。その楮の繊維長は10mm程度です。
西嶋和紙の主原料はみつまた故紙と稲ワラです。三椏故紙の繊維長はおおよそ3mmです。稲ワラの繊維長は1mm以下です。
なおかつ書道用紙は大変薄く扱いが難しいのです。
この、難しい紙を、西嶋の職人さんはいともたやすく鉄板に貼り付け乾かしていきます。
まさに神業です。